研究用試薬エコロジーナ
 高感度 BPA ELISAキット

ビスフェノールA(BPA)は、ポリカーボネート樹脂やエポキシ樹脂の原料、缶詰のコーティング剤などに用いられており、国内で年間25万トン生産されています。最近ではBPAの内分泌攪乱作用が示唆されており、水環境や生態系への影響が懸念されています。

旧環境庁作成の「外因性内分泌攪乱化学物質調査暫定マニュアル」(1998)には、環境水中のBPA測定法としてGC/MS法が採用されています。GC/MS法には抽出、誘導体化などの煩雑な操作が含まれるほか、分析に高価な機器が必要となります。
本品は、酵素免疫測定法により、環境水中のBPAを高感度かつ簡便に測定できるキットです。

■キットの特長

  • 定量範囲は、0.05〜10μg/L(ppb)と高感度で、試料中のBPAを特異的に検出することができます。
  • モノクローナル抗体を使用しているため、製造ロット間で抗体性能にばらつきがありません。
  • 測定値のCV(変動係数)は10%以下で、高精度です。
  • 有機溶媒の使用量を低減できます。
  • 測定試料の調製から定量まで2.5時間で完了します。
  • 標準液が各濃度列に設定されており、濃縮液からの希釈操作が不要です。
  • 簡単な操作で多検体を同時に処理できるため、経済的です。

■標準曲線



■抗BPAモノクローナル抗体交差反応性

       【環境汚染物質に対する交差反応性】
化合物 交差反応性(%)
Bisphenol A (BPA) 100
 Diethylhexylphthalate (DEHP) <0.05
 Nonylphenol (NP) 0.19
 17β-Estradiol (E2) <0.05
 Estrone (E1) <0.05
 Linear alkylbenzene sulfonate (LAS) <0.05
 Alkylphenol Ethoxylate (APE) <0.05
 Alkyl Ethoxylate (AE) <0.05
 Humic acid Na <0.05
       【BPA類縁化合物に対する交差反応性】

■キットの前処理例(簡易固相抽出)

 

簡易固相抽出による濃縮で、ppt オーダーの試料も測定できます。
固相カートリッジ(NEXUS*)はジクロロメタン10mL、メタノール5mLおよび精製水5mLで処理(コンディショニング)しておきます。1Lの試料水を通水します。精製水5mLと50%メタノール5mLでカートリッジを洗浄します。吸引してカートリッジを脱水します。ジクロルメタン6mLで溶出し、濃縮します。
溶媒除去後、10%メタノールに溶解して測定試料とします。
(固相抽出の方法は測定対象により異なることがあります。)

*推奨: VARIAN (No.1210-26021)
ジーエルサイエンス社取扱

■キット形態

形 態 容 量 特 徴 コードNo.
マイクロプレート 96穴、1枚 プレートリーダーで測定、多検体同時処理が可能 304-33321


・本キットは研究用試薬であり、疾病の診断またはその補助として使用することはできません。