研究用試薬エコロジーナ
17β-エストラジオール (E2) ELISAキット		 研究用試薬

女性ホルモンである17β-エストラジオール（E2）は、内分泌攪乱作用が示唆されている代表的な化学物質に比べて約103-104倍のエストロゲン活性をもつといわれており1) 、現在、河川および下水における実態調査の測定対象となっています。
17β-エストラジオールの定量法としてはGC/MS法やLC-MS/MS法がありますが、測定試料の誘導体化やクリーンナップなど煩雑な前処理を必要とする一方、分析に高価な機器や熟練した技術が必要となります。2)、3)
本品は、試料中の17β-エストラジオールを高感度かつ簡便に測定できるキットです。4)

■キットの特長

  • モノクローナル抗体を使用しているため、製造ロット間で抗体性能にばらつきがありません。
  • 定量範囲は0.05-1μg/L(ppb)と高感度で、固相抽出によりさらに低濃度の試料も測定できます。
  • 測定値のCV（変動係数）は10%以下で、ばらつきが少なく、高精度です。
  • 有機溶媒の使用量を低減できます。
  • 測定試料の調製から定量まで2.5時間で完了します。
  • 標準液が所定濃度に設定されており、希釈操作が不要です。
  • 簡単な操作で多検体を同時に処理できるため、経済的です。

■エストロゲンの構造

エストロゲンの構造

■前処理法
　こちら（PDF）をご参照ください。

■標準曲線

標準曲線
＜定量範囲＞
　　E2 ELISA : 0.05-1μg/L(ppb)

■LC/MS/MSとの相関

E2平均値 (ng/L)
Sample Na) LC-MS/MS ELISAb) E2-ADc) E2-CCc) E2-NGc) E2-RBc)
流入水 10 8.4 12.5 21.1 81.4 97.6 202.2
エアレーションタンク 13 1.9 2.1 4.4 9.4 7.8 31.6
処理水 5 1.2 2.6 5.3 15.1 18.8 75.9

a)
 N=サンプル数

b)
 エコロジーナE2 ELISAキット

c)
 他社品(臨床用）

■交差反応性

◆エストロゲン類
物　質 交差反応性(%)
E2 ELISA Kit
Estron (E1) 1.3
2-methoxy E1 <0.4
E1-3-sulfate 1.0
17β-Estradiol (E2) 100.0
16-keto E2 16.0
2-methoxy E2 2.0
E2-17-glucronide <0.4
E2-3-glucronide 16.0
E2-3-sulfate-17-glucronide <0.4
Estriol (E3) 0.6
16-epi-E3 0.5
E3-16-glucronide <0.4

◆その他 ホルモン類
物　質 交差反応性(%)
E2 ELISA Kit
cis -Androsterone <0.03
trans -Androsterone <0.03
Cholesterol 0.46
Dehydroisoandrosterone <0.03
5α-Dihydroteststerone 0.38
Hydrocortisone 0.38
Pregnenolone 0.35
Teststerone <0.03

■キット形態

キット E2 ELISA キット
形　態 マイクロプレート
容　量 96穴、1枚
特　徴 プレートリーダーで測定、多検体同時処理が可能
コードNo. 306-33261

【参考文献】
1) 西村哲治、埴岡伸光、神野透人、安藤正典、金子裕美、武田建、西川淳一、西原力　（1999）　酵母Two-Hybrid System法によるフェノール類のエストロゲン様活性の検討、33回日本水環境学会年会講演集、pp. 179.
　
2) 辻村和也、田嶋晴彦 (1999) 環境中天然由来化学物質の測定法についてーLC/MS/MSによる環境中17βエストラジオール分析法の開発ー、化学品検査協会創立50周年記念講演会及び第4回研究発表会講演要旨集、pp.17-26.
　
3) 白石ら　「環境中エストラジオール関連物質のLC/MS/MS分析におけるHPLC条件の最適化」（2001）
第10回環境化学討論会講演要旨集 pp.320-321
　
4) 郷田泰弘、小林綾子、福田勝二、藤本茂、池道彦、藤田正憲 （1999）　ELISA法によるエストロゲン新規測定法の開発、日本内分泌攪乱化学物質学会　研究発表会―内分泌攪乱化学物質調査研究の進展と課題―要旨集、pp.49-50.

・本キットは研究用試薬であり、疾病の診断またはその補助として使用することはできません。