研究用試薬エコロジーナ
APE ELISAキット


■キットの特長

  • モノクローナル抗体を使用しているため、製造ロット間で抗体性能にばらつきがありません。
  • 環境水中のAPEを特異的に検出できます。
  • 定量範囲は20〜1000μg/L(ppb)と高感度で、固相抽出によりさらに低濃度の試料も測定できます。
  • 試料水の前処理はろ過だけでかんたんです。
  • 測定値のCV(変動係数)は10%以下で、ばらつきが少なく、高精度です。
  • 有機溶媒の使用量を低減できます。
  • 試料の調製から定量まで2.5時間で測定が完了します。
  • 簡単な操作で多検体を同時に処理できるため、経済的です。

■APEとは

構造式アルキルフェノールエトキシレート(APE)別名ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル(POEP)は非イオン界面活性剤の一種で、主に工業用洗剤として使用されています。それは下水処理および環境中で分解を受けることで、アルキルフェノールを代表とする数種の外因性内分泌かく乱化学物質に変化することが知られています。
環境水中の非イオン界面活性剤測定法として、水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法(H15年7月22日厚生労働省告示第261号、別表第28)には、固相抽出‐吸光光度法が収載されていますが、AEとAPEの分別定量はできません。また煩雑なクリーンアップ、有害な有機溶媒(トルエン)による抽出操作が必要なほか、酸化エチレン鎖(EO鎖)長による感度のばらつきなどの問題が指摘されています

(参考)アルキルフェノール
旧環境庁作成の「外因性内分泌攪乱化学物質調査暫定マニュアル」には、環境試料中のアルキルフェノール測定法としてGC/MS-SIM法が採用されています。GC/MS法は煩雑な抽出・クリーンアップ操作が含まれるほか、分析に高価な機器を必要とします。


■APE測定用標準曲線

定量範囲は5〜500μg/Lで、濃縮(固相抽出)によりng/L(ppt)オーダーの試料も測定できます。
測定値のCV(変動係数)は10%以下で、測定のばらつきが少なく、高精度です。

■試料の前処理法(固相抽出例)

  1. メタノール5mLと精製水10mLでコンディショニングしたC18 SPEカートリッジへグラスファイバーフィルターろ過試料水を500mL吸着させる (J.T.Baker Inc.: No.7020-06 , Waters Co.: No.043395)
  2. 精製水5mLでで洗浄
  3. メタノール10mLで溶出
  4. 溶出液を窒素ガス吹き付けで乾固
  5. 10%メタノール2mLに溶解
  6. ELISAにて測定

■抗APE抗体の交差反応性

化合物 交差反応性(%)
Nonionic Surfactants
Nonylphenol Ethoxylate (NPnEO)
NPnEO (n=1) 14
NPnEO (n=2) 32
NPnEO (n≒5) 82
NPnEO (n≒10) 100
NPnEO (n≒15) 73
NPnEO (n≒20) 79
Octylphenol Ethoxylate (OPnEO)
OPnEO (n=2) 129
OPnEO (n≒5) 244
OPnEO (n≒10) 200
OPnEO (n≒15) 129
OPnEO (n≒20) 92
Alkyl Ethoxylate (Alcohol Ethoxylate) <0.2
Anionic Surfactants
Linear Alkylbenzene Sulfonates (LAS) <0.2
Sodium Dodecyl Sulfate (SDS) <0.2
Alkylether Sulfate (AES) <0.2
Sodium Laurate (SORP) <0.2
Substances of similar structure
Phenol <0.2
Polyethylene Glycol (PEG) <0.2

■キット形態

形 態 容 量 特 徴 コードNo.
マイクロプレート 96穴、1枚 プレートリーダーで測定、多検体同時処理が可能 308-33341

・本キットは研究用試薬であり、疾病の診断またはその補助として使用することはできません。